「は、だって、契約しなかったら消されるって」

「ああ、消されるって言っても、人権みたいのが失われるだけで、殺されるわけじゃないよ」

「は?残酷なってのは?」

「だって、人権がなくなったらいろいろ困るじゃない」


ヘラヘラと笑う悪魔に目を丸くする。え、だって、自分の命よりも私の気持ちをって、誰か言ってなかったっけ……?


「……天使」

「あはは、なんか、そんな雰囲気やったし、堪忍な」

「あんたって奴は……!」


何、私、勘違いしてたの。わー、恥ずかしい。死にたい。もういっそ、殺して。

そんな葛藤を心の中で繰り広げていると、天使がヘラヘラしながら口を開いて、またもや私が目を点にしてしまうようなことを言ったのだ。


「あのー、俺とも契約してくれへん?あと一日しかないんよねー」