八尋に連れて行かれた場所はいつもの河原。

でも2週間ぶりだから懐かしく感じる。


あたしも八尋も草の上に座った。


秋の夜は少し肌寒い。

そう思っていると八尋がパーカーを着せてくれた。

やっぱり優しいな・・・・・・


「話って何??」

「あっ・・・・・・」

そうだった。

あのことを話すんだった。


「あのね・・・
 もうあたしに優しくしないで。」

「えっ・・・・・・」

暗くてお互い顔が見えないのが唯一の助けだった。

だってあたしの顔絶対変だもん。

泣きそうだし。


「誤解されるし・・・」

好きな人に誤解されちゃうよ。

八尋はあの話を聞いて同情してるだけなんだから。


「あたしが退院してから八尋は毎日逢ってくれたでしょ?
 バイトのシフトも店長に無理言って変えてもらってまで。

 あたしすっごく迷惑かけてた。
 今までごめんね・・・
 
 そしてこんなあたしに優しくしてくれてありがとう。
 嬉しかったよ。
 毎日逢えたことも電話も・・・・・・指輪も。

 あっ思い出に指輪は持っててもいい??

 八尋に助けられたし,馬鹿なあたしを変えてくれたからね。



 それにあたし八尋のこと好きだったから。」