河原に行くと土手で横になっている八尋がいた。


「八尋―――――!!」

上から叫ぶと八尋は体を起こしあたしの方をみる。

そして鞄を持って笑顔で駆け寄ってくる。

まるで犬みたいだった。


「鈴ちゃんっっ」

「八尋学校は??」

あたしは笑顔の八尋を睨んでみた。

八尋は苦笑いで『サボった。』って。


「だってダチが帰ったから暇でさ・・・」

と足で砂をいじりながら言う。

本当に高2か・・・??


「まぁいいや。

 買い物行くんでしょ??

 どこに行くの?」

「俺の地元!!」

八尋はあたしの問いに即答した。

『早くっっ』

そう言いあたしの手を握った。


「やっ!!!」

八尋に手を握られた瞬間あたしは4年前のことを思い出した。


なんで今ごろ・・・?

拒絶したあたしを不思議そうに見つめる八尋。


話したくなかったあたしはとっさに嘘をついた。


「ごめん!!

 八尋の手めっちゃ冷たいからビックリしちゃった。」

信じてくれたかどうかは分からないけど

優しい八尋は何も追及してこなかった。