「ねぇ八尋さっきの人お友達でしょ??」

あたしが聞くと八尋はいつもの顔と声で


「残念ながらそうなんだよね。」

と言った。


それからあたし達は他愛のない話をして目的地で降りた。

というより八尋に降ろされた。


そして八尋はあたしの歩幅にあわせて横を歩いてくれた。


辿り着いたのは河原だった。

でも今は夕暮れ時からさっき来たところと違うところみたいだった。


「手出して。」

いきなり八尋から言われた言葉。

意味が分からず呆然としてると

さっきまで繋いでいた手を八尋は『ったく』と言い乱暴にとった。


「何よ。」

ちょっとムッとしたあたしは少し声のトーンをおとして言った。


すると指に冷たいものがとおった。

はじめは何か分からず八尋の手から

自分の手を引き抜こうとしてたけど・・・

冷静さを取り戻していると

指にはまっているものがわかったような気がした。