「鈴どうしたの?切れちゃうよ。」

お姉ちゃんが電話に出ないあたしを不思議に思ったみたい。

でもあたしはそんなのお構いなし。


電話してきたのは八尋だったのだ。

どうして電話するの??


ずっとその言葉を頭の中で繰り返していると留守電に切り替わったみたい。

着信音は鳴るのをやめた。


「鈴。どうしたの??さっきから変だよ。」

お姉ちゃんの顔がさっきと全然違う。

とても悲しそうな顔をしている。

あの笑顔はどこにいったの??

そう言いたくなるほど表情が違った。


「・・・・・・・・・」

あたしは何もいえなかった。

心の中で謝る事しかできなかった。

本当は話すことが出来ればいいんだけどそれは無理。

今日のことを話したら今までのことも話さなくちゃいけないから。

それだけは嫌だった。

お姉ちゃんに見放されたくなかったから。