「真由、帰ろ。」 私は鞄のチャックをしめながら言った。 「でも…もう、」 「私に関係ないし。てゆーかあんなやつの彼女とか誰がなるかって感じ。」 真由の言葉を遮りチャックをしめた鞄を持ち椅子から立ち上がろうとした。 「誰があんなやつだって?」 えっ… 頭上からは聞きなれない低い声がした。 振り返ると王子が立っていて不機嫌そうな顔で私を睨んでいた。