隣から白く細い手が 涼やかな声と共に伸びた 「…美城」 あの村上も一瞬だけみとれて その声のする方を指した 「はい、村上先生 実行委員に立候補します」 一瞬だけ教室が沈黙に包まれた 村上が返事を返して 黒板に名前を書くと 口々に立候補の声が上がった ――行事に全力投球する奴って 必ず一人はいるよな 燃えて最後は呆気なく終わる 愚かだと思う どんなに熱くなっても 結局最後は終わってしまう なら燃えても燃えなくても 結果は変わらないのではないか