「貴方の名前……櫻庭………何??」 『櫻庭幸人』 教科書にはそう書いていた 「櫻庭は読めるのよ ……ゆき…と……ゆき…ひと…かしら??」 悩んでいる顔は自己紹介の時とも 教師と話す時とも違っていた 「わかった『ゆきと』ね!!正解でしょ??」 眉間に沢山寄ったシワは 一瞬にして消え失せ その顔には瞬時に眩しい笑顔が灯った 「………はずれだよ」