転入生は橋本に 猫被った笑顔を見せると 黒板に向き直った 「おい」 声を掛けたが返事は来ない 「おいって」 「聞こえないわ」 「聞こえてんだろ」 「……私は『おい』じゃないもの」 黒板を見つめたまま 転入生は口を開いた 「…ウゼ」 「貴方、何でもウザがるのね その癖治さないと友達いなくなるわよ」 「いなくなって困る程 有難い友達なんかいねぇよ」 転入生は筆記具を置き 今度はこちらに向き直った