――終業の鐘が鳴った
鳴るや否や
転入生には男女問わず
クラスメートが
それに紛れて
他のクラスの奴が群がった
騒がしくなる寸前で席を立ち
嶋田の席の前に来た
「櫻庭、私って空気読めてない??」
「気にすんな」
「え、読めてないのー」
嶋田を励ます方法なんてわからない
「転入生と友達になるんだろ」
話題を変えるので精一杯
「そうなんだけどさ
なんかもう沢山いるっぽい」
振り返ると群衆の中で
眩しい笑顔を見せる
転入生の姿が目に入った
「櫻庭さ、話通しといてよ」
「……え」
「昼休みに私が学校案内するから」
そうこうしてるうちに
始業の鐘が鳴った



