手すりに到着すると、乗り越えようとする少年A。 うわ。 飛び降りそう。 ちょっと待ってよ。 それはまずい。 『少年。 ちょっと。ストップ。』 あたしの声にビックリしたのか、必死な顔がこっちを向いた。 「……止めないでください。」 おーい。 止まっておくれー。 『止めますとも。 あたし、人を見殺しに出来るような人間じゃないし。』 梯子を降りて、少年Aに近づく。