廊下で白井…兄に会うと、案の定、心配されてしまった。 こいつは、隠れ心配性なのかな。 『お前、実は良い奴なんだね。』 「知らなかったの??」 ……うん。ムカつく。 なんだね、その見下してる感あふれる目は。 『前言撤回しとくわ。』 それだけ言って教室に戻ろうとしたら、呼び止められた。 「あー…あれ、昨日、彼方から聞いたわ。 いろいろと。」 彼方……弟か。 ちゃんと言えたんだ。 「お前のことも聞いた。 彼方を助けてくれてありがとう。」