――― 『どうぞ。 でもなんでぇー…?!』 家についたとたん後ろから抱き締められてるあたし。 『…凌ちゃんサ-ン? どうしたんですかー?』 「どうもしてませーん。 早くリビングにいきましょー」 首に息がかかってくすぐったい。 『ちょっと離れてもらえませんかねー。 とても歩きずらいんですが。』 「イヤです。 このまま行く。 はい、右、左、右、左……」 ……なんで家ん中二人羽織りで歩ってんだ、あたし。 誰か、この我が儘大学生をどうにかしてください。