「お前…どーしたんだよ?」

静かに訊ねる藤沢愁に何て返事をすればいいんだろう。

輝くんがいるくせに、藤沢愁に会いたくてたまらなくて。

何てヤツだって思われるよね。



私は黙って首を横に振った。

「カレシに…何か言われたとか?」

首を振る。

「喧嘩でもしたのか?」

首を振る。


「じゃあ、何なんだよ!」

私の肩を掴み正面から睨む。

「……き…なの…」

「は?」

聞き取れないぐらい小さな私の声に藤沢愁は苛立った声を上げた。

「…藤沢くんが…好きなの…っ!」

「おま…何言ってんだよ…」

「輝くんといるのに、藤沢くんの事ばかり考えて…全然頭から離れなくて…会いたくてずっと探して…バカみたいでしょ!?」

泣き笑いの私を藤沢愁がじっと見つめてる。

絶対呆れてるよね。
カレシいるくせに、こいつ何言ってんだって。


「それ、本気で言ってんのか?」

ほらね。
信じてももらえない。