親には、同居人に過保護に思われたくないからと、何とか佐々木さんを見せずに引っ越しを済ませた。

佐々木さんを見たらパニックになるに決まってるもん。

男と同居なんて私だって想像してなかったもんなぁ…。

この部屋は3LDKで一部屋ずつ佐々木さんと私が使って、もう一部屋は共同の荷物置き場。

以前住んでいた人は男性で留学するからと急遽部屋を空ける事になったらしい。

自室を片付けながら物思いに耽ってるとドアがノックされた。

「おい、いいか？」

「あっ、はい」

急いでドアを開く。

「今日から住む事になったんだし、よかったら飯一緒に食わねーか？」

「はい」

片付けをそのままにしてリビングへと出ると美味しそうな匂いが空間を満たしている。

「わぁ」

テーブルに並べられた料理はどれも美味しそう。

「これって佐々木さんが作ったんですか？」

「今時は男子でも飯ぐれー作れないとダメだろ。まさかお前作れないなんて言わないだろな？」

横目でチロッと見る佐々木さんに慌てて首を横に振る。