なるべく怜と顔を合わさないようにしていても、顔を見なきゃ見ないで怜の事がかえって気になる。

同じ家の違う部屋。
会おうと思えばいつでも会えるのに…。

今、怜は何をしてるんだろ?
今、怜は何を考えてるんだろ?
今、怜は私の事をどう思ってるんだろ?

油断するとそんな事ばかりが頭に浮かぶ。

私がこんなに怜を気にしてるなんて知られるのはダメだ。

欝陶しい女と思われて、即ここを出ていけと言われるのは目に見えてるもん。

怜への想いは隠し通さなくちゃ。

それって結構キツいものがあるなぁ…。






『今日の2限目休講だってー。ラッキー!』

弘美は今日は1限目から学校に行ってたから私に知らせてくれた。

でも、学校に行く前に寄り道するところがあって私はすでに家を出ていた。

このまま家に戻るのもいいけど…お昼は学校で食べてから帰ってもいいかな。

そう考えた私は学校へと足を向けた。



まだお昼には早い時間で人もまばらな食堂に座ってゆっくり食事を取った。

そろそろ混んでくるかな?

混む前にここを出て家に帰ろう。

そう思った私の耳に聞き慣れた声が入った。