「おいっ!起きろ!」

何度呼んでも俺の腕の中ですやすやと眠る倫を見て起こす事を諦めた。

あれだけ酔って風呂に入れば次に来るのは眠気しかない。

仕方なく倫を抱き上げると部屋へと運ぶ。

実は倫の部屋に入るのは初めてだった。

同居してるとはいえ、むやみに女の部屋に入るのもどうかと思ったし、今まで入る必要性もなかったから。

倫の部屋は女の子らしく可愛いキャラクターもののぬいぐるみなんかもあったが、全体的にスッキリとした清潔感がある。


倫をベッドに下ろしため息をつく。

さっきの倫とのキスが思い出されて、つい唇に目をやってしまう。

軽く唇を開いて眠る倫へまた口づけたい誘惑にかられ、そっと頬に手を当てた。

……酔って無防備に眠る女に触れるなんて卑怯だよな。

未練を断ち切るように倫に布団をかけると部屋を出た。

俺、何やってんだろ。

倫の事が気になるなんて。