「怜も飲もっ」

俺の腕を胸に抱いておねだり風に上目遣いをする倫は………意外に可愛いじゃん…ってチガウだろッ!

ミイラとりがミイラになってどーすんだよッ!

「あーきらッ!ねぇ、飲もーよぉー」

「ホント酒癖わりーな」

倫のペースに巻き込まれないように、わざとしかめっ面で睨むがヘラヘラ笑ってる倫には何の効果もない。

そんな俺の気も知らず身体をすり寄せる倫は、狙ってやってんのかと疑うぐらい小悪魔的だ。

「あーきーらーぁ」

俺の腰をしっかりと抱きかかえ、見上げる倫の開き気味の襟元から胸の谷間が目に入って心臓が跳ねた。

ンなモン、今の俺に見せんなよーッ!

酒で潤んだ瞳に少し尖らせた唇。
柔らかく温かい身体が密着していて、俺の理性が薄らいでいく。

俺は手に持っていた缶ビールをグイッと飲んだ。

「あー!怜だけズルいんだぁー」

「お前はさんざん飲んだんだろ」

ズルい、ズルいとうるさい倫の顎を掴むと口に含んだビールを倫に流し込んだ。

「んんッ!?」

「これでズルくねーだろ」

俺、何やってんだ…。

倫の喉がコクッと音を立ててビールを飲み干す。