冷たい夜は桜の色


私は時間というものはずっと続いていくと思っていた。

隆との時間、それも続いていくと思っていた。

バカだった。

どうして気がつかなかったの?

少し考えればわかるのに、

隆と出会ってから数年間考えてなかった

そんなだけ長い間入院してるんだ、つらい病気に決まってるのに。

隆は私の前ではいつも笑っていた。

すごく元気で私にその元気を分けてくれていた。

そんな隆が今いなくなろうとしている

隆との時間が砂時計のようにさらさらと消えてしまうように思えた。

前に三船さんが言った、自分に出来ることをしろと、

今私に出来ることは何なんだろう、

わかんない、でも

隆に会いたい

私は隆の近くに行きたい。