冷たい夜は桜の色


《お前だからだ、だから伝えなきゃならないんだ》

『どういうことですか?』

どういうこと?私は余計わけがわからなくなった。

早く聞きたいのに三船さんはそれからなかなか口を開いてくれない。

そんなにいいにくい事なの?私の不安はどんどん膨らんでいく。

《あのな、隆もしかしたら、もう美加に会えないかもしれないんだ、、、》

その瞬間私の中で何かが崩れていく音がした。

《隆から聞いたよ美加ちゃんと気持ち伝えたんだな。隆すっごく喜んでた、でもな隆には美加に返事が出来なかった、違うか?》

『え、、なんで、、』

《やっぱり、そうなんだな。隆、実は今日手術だったんだ。》

えっ・・・

《隆は生まれつき心臓の組織が弱くてな体の成長についていけないんだ、先週やっと隆にあうドナーの人が見つかってな、今日その手術だったんだ》

『そんなこと、、、聞いてませんよ・・・私』

《だろうな、隆はお前に心配を掛けたくなかったんだろうな、私も隆に口止めされてたし》