冷たい夜は桜の色


「ゆかーー」

『なに耕太?』

「ゆかってあと少しで誕生日だよね。」

『あっそういえばそうだね』

なんか誕生日って年をとるごとに忘れやすくなる気がする。

「なんかほしいものとかある?俺プレゼントするよなんでもいって」

『ん~特にないから別にいいよ』

「そんなんだめだよ。ゆかが生まれた記念すべき日なんだよ?じゃぁ俺がよさそうなの選んで買ってくるよ」

「ん、わかった楽しみにしてるよ耕太」

私は赤くなった顔を隠すようにクレープにかぶりついた

耕太は恥ずかしいことを平気で言う。それもとても普通の顔して、まじめに言うもんだから言われたこっちが恥ずかしい。

それでもやっぱり耕太のこういう所が私は好きなのかもしれない。

そうして私たちは2年間付き合った。