冷たい夜は桜の色


やっと夜が来た。時間を何度も確認しいつもの時間になると病室を飛び出るようにして隆の待つあの場所に向かった。

いつもの場所につくと隆が美加っといつものように私を迎えてくれた。

すぐさまいつもの定位置である隆の隣に座った。

いつもの場所、いつもの隆の隣。そのはずなのに最近ではなんか落ち着かないんだよなぁ

なんか胸のあたりがそわそわしてくすぐったくて、

それとなく私は隆と少しだけ離れて座る。

それから私たちはいつものように会話をする

いつもと同じような会話だけど楽しくって嬉しくって特別なものに感じられた。

そんな時間はあっという間に過ぎていき、今日も終わりの時間が来た。

「もうこんな時間かぁ、そろそろ帰ろうかなぁ」

そう言って立ち上がる隆

待って、そう言おうとしたんだけど、

「ん?どうしたの美加?」

気がつくと私は隆の服をつかんでいた。

『あっ・・と、えっと・・・、おやすみ!また明日ね!隆』

「おう!また明日な」

そう笑って去っていく隆の後ろを見つめていた

今日は聞きたいことがあったんだ。

隆は私の事どう思ってるの?

たったそれだけの事なのに言うことができなかった。

ベンチに座ったまましばらく窓の外を見ていた