冷たい夜は桜の色


パレードは6時かららしいが、私たちがパレードの場所に着くとそこにはもう沢山の人が集まっていた。

私たちは人が少ない所に移動してパレードが始まるのを待った。

少しして遠くのほうからリズミカルな音が聞こえてきた。

「あっ!きた!うわぁ・・すっげーな美加」

私も小さいからだを伸ばして遠くのほうを見た。

『本当すっごいきれい』

色鮮やかな光とリズミカルな音楽、ライトに照らされたミッコーやきれいな衣装に身を包んだダンサー、そのどれもが一つになって私たちの目の前を通って行く。

それはもう本当にきれいで私たちはあっというまに心を奪われた。

本当にきれいだった。けどパレードが終わったら帰らなくちゃいけないんだ、そう思うと少しさびしい気持ちにもなった。

その二つの気持ちが合わさって、とても不思議な感覚になった。素敵な夢を見てたのにふっと目を覚ました後の力が入らない、夢と現実の間にいるような感覚。

それから私はただただパレードを見続けた、

パレードの一団は私たちの前を20分ほどかけて通って行きまた遠くのほうへと向かっていった。