冷たい夜は桜の色


門をくぐるとそこはまさに夢の国だった。

最初に目に飛び込んできたのは、外国の街を思わせるようなレンガ造りの建物、それが何個も連なって道の両側に並んでいる、通りの道にも色とりどりのタイルが敷き詰められおしゃれな形をした街灯とよくあっている。それはもう本物の街のようでなんともいえぬ雰囲気を感じた。

その雰囲気に酔いながら私たちは通りをまっすぐに進んでいく。

進んでいくと両隣りにあった建物が消え大きな噴水の周りに人が集まっている。

『ミッコー!!』

そうそこにいたのはあの有名なミッコー。

当然私はミッコーのもとへと向かった。

すごい!テレビで見たのと同じだ!

ミッコーは周りの子供たちに笑顔を見せながらユニークな動きで楽しませている。そしてかわいいポーズをしながら子供たちと一緒に写真を撮ったりしていた。

私はその様子を少し離れた場所から見ていた。

「もっと近くで見なくていいの??」

『だって人いっぱいだし』

「ミッコーと写真撮りたくねーの?」

『それは・・・とりたいけど・・・でもカメラも持ってないし』

「そんなら行くぞ」

そういって私の手をひいて人ごみの中を進んでいく。

そしてミッコーの前まできた、

「あの、俺らも写真撮ってもいいですか?」

そう隆がいうと私たちのほうを向きオッケーのポーズをした

「オッケーだってほら美加行っておいでよ」

そう言ってどこからかカメラを取り出した。

『隆カメラなんて持ってたの?』

「うん、この前買ったんだこれ、ほら美加ミッコーと並んで並んで」

私の背中をぽんと押した。

「ほら美加もっと近づいて、ポーズとって」

カメラを構えた隆がもう片方の手で指示をだす

『えーと、こう?』

私はミッコーに抱きついてピースをした

「じゃハイ、チーズ」

パシャっ

カメラのフラッシュとともに私の思い出がカメラに収められた。