冷たい夜は桜の色


ガタンゴトン、ガタンゴトン

私たちは病院を抜け出すと、電車に揺られていた。電車のまでからはビルや大っきい川や橋。

私は初めて見る景色を楽しんでいた。

『ねぇねぇ見て隆すごいよ。』

「ははっすごいなぁほんと」

そういう隆を私はじとっ・・・とした目で見た

「な、なんだよ?」

『ほんとにすごいと思ってる~?』

「思ってるよ。ほら!すごいなぁあの橋かっこいいなぁ~」

絶対思ってない!!

『私の事バカにして!しょうがないでしょ初めて見るものばかりなんだから』

私はほっぺたを膨らましながら隆から窓の外に目線を戻した。

『ねぇ隆どこに行くの?』

「内緒~」

『教えてよ』

「美加が喜ぶところ」

隆は勝ち誇ったように笑った。

話していると電車のアナウンスが到着したことを告げ、私たちは電車から降りた