冷たい夜は桜の色


私は何回も鏡で自分の姿をチェックした。

なんか私じゃない見たい。

あっそうだ

『ねぇ隆?』

「なに美加」

『なんでこんな事してくれたの?私なんか言ったっけ』

そうすると隆はそいうだったという顔をした

「美加、今からデートしよう」

そいういって親指を立てながらウインクする隆

『え!?なにいってるの?』

私は意味がわからなくて首をかしげるだけだった。

多分私の頭の上には?が何十個も飛んでいるだろう。

「いいから、ほら行くよ」

そう言って手を差し出してきた。

私は何んとなく隆と手をつないだ。

今思うと初めて隆の手を握ったかもしれない。

おっきくって、ごつごつしていて、だけど暖かい。

私が手を握ると隆も手を握り返してくる。

不思議と体温が上がっていった。

「それじゃあデートにしゅっぱぁつ!!」

『うん』

私は隆に手を引かれて病院を後にした。