私はドアをちょっとだけ開けて外の様子を見てみる。
隆は部屋の向かいの壁に背を預けて立っていた。
「美加!」
隆は私を見つけると満面の笑みで近寄ってきた。
そこまで明らかな態度をとられるとなんだか照れてしまう。
目の前まで来た隆を見上げた。
『どうしたの?急にびっくりしたじゃない』
そういって目の前の隆の胸を力いっぱい押した、しかしそれはびくともしない。
「美加!」
『なに隆?』
これ、と言って隆が紙袋を渡してきた。
『なに?これ?』
「いいから見てみて」
私は疑問に思いつつも言われた通り紙袋の中を見てみる。
『かわいい・・。どうしたの?これ?』
中にはかわいらしい女の子の服が入っていた。
私はそれを自分の体に当てながら隆に聞いた。
「それは俺の姉ちゃんのなんだ。今日は姉ちゃんに頼んで持ってきてもらったんだ。よかった、サイズはちょうど良さそいうだね」
そう言ってうんうん、とうなずく。
私は初めて触れたかわいい服に心を奪われていた。
ひらひらとしたスカート。淡いピンクのワンピース。ジャケット、ブーツ。
どれも私が触ったことないものばかりだ。



