冷たい夜は桜の色


《はお前何言って・・》

「うるさい!いいからかかってこい!」

そういってファイティングポーズをとった。

《ほうお前おもしろいこと言うようになったじゃねーか》

そう言って三船さんが手をぽきぽきと鳴らした。

《お前またあの時のようになりたいのか、昨日は楽しかったよな~隆?》

「うっ・・」

早くも俺の戦意が奪われていく。

「う、うっせー。ちきしょー喰らえ美加への愛がこもった左ストレートー!!」

《ふんバカが返り討ちにしてくれるわ!おりゃぁぁー》

ばこ!どか!ばき!どこ!ばき!

夜の病院に二人のこぶしのまじりあう音が響き渡った。