冷たい夜は桜の色


走ること5分弱。

俺は戦場にたどりついた。

廊下の壁に背中をくっつけ少しだけ顔をだしてあたりをうかがう。

そこには不機嫌そうに腕を組みながら座っている奴の姿があった。

顔を戻し。一回深呼吸する。大丈夫だ俺ならやれる。美加のためじゃねーか。

「くそっ足が」

足が震えだしやがった。これじゃ奴に瞬殺されちまう。

「なにびびってんだ。ここまできて」

そう自分に言い聞かせている時

《なに一人でぶつぶつ言ってんだ?頭でもおかしくなったのか?バカ》

背後から奴の声が聞こえた。俺はあわてて振り返りそいつと対面した。

《頭おかしいのは元から。でだ、こんなところでなにしてるんだ?》

そこには殺気をみなぎらせた。三船さんが見下ろすように立っていた。

「いや、えっと、あの・・。」

《なんだ言いたいことがあるならはっきり言え》

そう冷たい目線を向けてくる。

逃げちゃだめだ。逃げちゃだめだ。男だろ隆!!

「俺はお前を倒して美加の笑顔と思い出を手に入れる!」