冷たい夜は桜の色


「君、名前なんて言うの?」

『美加、』

「美加ちゃんか、僕は隆行。隆でいいよ」

私は返事の代わりに一度だけ首を縦にふる。

それを見た隆は満足そうに笑った。

「美加ちゃんは今何歳なの?」

『13』

「僕と一緒だ」

同い年かぁ私はてっきり年下だと思ってた。

隆がグイっと私に顔を近づけてきた。

『な、なによ?』

「今僕の事ばかにしたでしょ?」

『し、してないよ』

とっさの事で驚いてしまい舌がまわらない。

「ほら!やっぱり!僕には嘘は通じないんだよ!」

そう言って笑う隆

『なによそれ、馬鹿じゃないの?』

私も隆につられて笑った。