キラーンと鷹夜の目から星が出た。
いや星なんて出るわけないんだけれども。
「よかったな〜。これで華夜もお嬢様の仲間入りだなぁ。お兄ちゃんは鼻が高いぜ」
と、間の抜けた声で芦夜が言う。
「あたし入学取り消してくる」
すくっと立ち上がり華夜は電話を手に取った
「取り消しできないみたいだよ。」
鷹夜がチョイチョイと手招きをしている。
「ホラ」
と見せられたパンフレットには――――…
【入学手続き後の取り消しは受け付けません。】
「頑張ってね」
「頑張れよ」
そんな二人の声は最早華夜には届いていなかった。
頭の中を“お嬢様”という単語がぐるぐる回っているだけで…
「いやだあああああああ!!!!」
華夜の叫びがむなしく響いた。

