「うん。おばさん、今夜帰ってくるの?」

「まぁ、遅くなるだろけど」

「そっか。じゃあ私は帰るから洗濯終わったら干しておいてね」

「うん」

私を門の外まで見送る貴斗を振り返って口を開いた。

「あのさ…今の貴斗は…その…」

私の言いたい事がわからない貴斗は首を傾げる。

いや、私だって何が言いたいんだかわからないんだけど。

「いつも…こんな風だったらいいのに…。じゃねっ」

まともに貴斗の顔が見れなくて一方的に告げて家に入った。





「真帆。食器は?」

ママに声をかけられて手ぶらで帰ってきた事に気づいた。

「あっ!?洗って…忘れてきた…」

「なあに?真帆らしくないわね」

クスクス笑うママに頬を赤らめて抗議する。