「そーゆー事」

私の反応が鈍いから貴斗は不安そうに見える。

「俺、あいつに真帆を取られるの嫌なんだよ。あいつだけじゃなく、誰にも取られるのヤなんだ」

必死な感じの貴斗って…可愛い…。

思わずクスクス笑ってしまった。

「そこは笑うとこじゃねーだろ」

しょんぼりしてしまった貴斗の頬を両手で挟むと唇を重ねた。

「真帆…?」

「貴斗が好き」

「え?」

「あんな事言わなくても佐伯くんは断るつもりだったのに」

「マジで!?」

頷く私を貴斗はギュッと抱きしめた。

「ずっとずっと真帆が好きだったけど…相手にされないだろって思って…逃げてたんだ」

「私もずっとずっと貴斗が好きだったんだと思う。その事に最近気づいたの」

お互い顔を見合わせて笑う。

「キスしてい?」

「貴斗からしてもらうの初めてかも」

「…そーいやそーだな。いつも真帆が強引に…」

ポカッと貴斗の頭を叩く。
それが余計な一言だってゆーの。

「真帆、大好き」

そう言って貴斗は私にキスしてくれた。

近くにいすぎてグルグル回り道した私と貴斗。

やっと二人で一緒に歩いていけそうだね。