絶対純愛主義

相手にするとロクな事ない。

私は無言でおじさんから逃げようと脇に逸れるけど、両手を広げられて逃げ道がない。

「おじさんに話してごらん?ちょっとそこの公園で聞いたげるよ」

肘の辺りをガシッと掴み私を引きずって暗い公園に向かう。

「ヤダっ!離して!」

酔ってるくせにすごい力を発揮するおじさんに適わずジリジリと公園に近づいてしまう。

怖いよっ!
誰か助けて!

「貴斗っ!助けてよっ!」

もしかして貴斗がいれば聞こえるかもと叫んでみた。

「貴斗ーっ!」

さっきあんな事言ったの私だし、貴斗はもうあの場所にいないかもしれない。

「ヤダ!離して!貴斗!早く来てよーっ!」