「何?」

振り返る私に貴斗はチャラい笑顔を向けた。

「おばさんがご飯作ってくれるんなら食べたいもんがあるんだけどー」

図々しいっ!

「ママも今日はいないから私が作るんだけど」

貴斗はガックリ肩を落とした。

本当に失礼な奴!

「食べれないと思うと…ますます食べたくなるもんだよなぁ」

ママほどは作れないけど私だってそこそこ作れんだからね!

「何が食べたいのよ」

「真帆が作るんだろー?」

ムッカー!!

「いいから言ってみなさいよっ!」

私の怒りを察したのか渋々貴斗は口を開いた。

「ロールキャベツ。トマトの方。あれメチャ旨だよな」

「ぶっ!あははっ!」

急に笑いだした私に貴斗が驚く。