「だって、家に入ったら洗い物はしてないし、洗濯してないし、部屋は乱雑だしでさ。どーして男だけだと一日であんな風になるかな」

「あらあら。全部してきたの?」

ママってふんわりしてるくせに鋭く追及するな。

「だって…ほっとけないでしょ」

「その調子でもっと貴ちゃんに優しくしてあげればいいのに」

「それは…。それとこれは別」

貴斗の話になりそうだから慌てて二階に上がった。

もう!ママってば!

私が貴斗に冷たい事知ってんだ?

だって今の貴斗は私じゃなくても周りにたくさん女の子いてるし。

それに小さい頃から貴斗を知ってるからこそ、あの軽さに耐えられない。

さっきみたいな、少しはにかんだ素直な貴斗だったら…。

そこまで考えてブンブン首を振った。

貴斗の事考えんの止めよ。

チャラけた幼なじみ。

それだけよ。