「理乃にそんな難しい事言ってもわかんないってば」

口を尖らせてる理乃を大好きなあっくんが呼ぶ。

「理乃」

由香をぶら下げたまま振り向くと顔がにやけてくる。

「なーにー、小川?今、理乃は私のなんだから」

グヘッと息が詰まるぐらい由香に抱きしめられて理乃は苦しい。

由香の冷たい声に怯んだ様子のあっくん。

もうっ!あっくんが可哀想じゃない!

「いーの、いーの。どうしたの?あっくん」

「えっ…あー、今日部活休みになったんだけど…」

「ホントっ!?じゃあ一緒に帰れる?」

頷くあっくんに幸せ度MAXな理乃。

由香の重さも気にならない。

やったーっ!
久しぶりにあっくんと帰れる!

さらに浮かれ気分の理乃を由香はブスッと、忍は仕方ないなぁと言いたげに見ていた。