もう、もうっ!
二人とも、小川くんをあんな風に言うなんて信じらんないよ。

でも、理乃だけがわかってればいいんだもん。

「小川くん!」

理乃の呼びかけに顔をあげて微笑む。

うん、やっぱりこの笑顔好きだな。
どうしてこんなに胸が暖かくなる笑顔が出来るんだろ。

「今日ね、一緒に帰れる?」

「いいよ」

やったぁ!
早く授業終わんないかな。







「じゃあ、由香、忍、バイバイ」

まだ渋い顔の二人に手を振って小川くんの席まで行く。

理乃を見た小川くんは友達に冷やかされながらも理乃と一緒に教室を出てくれた。






「小川くんと帰れるなんて夢みたいだな」

理乃がそう言うと小川くんは恥ずかしそうにする。

「春日は大げさだよ」

春日だなんて他人行儀な。