「んーと…。とりあえずブラブラ?」

春日も何も考えてなかったのか?

「何だ、それ?」

そんな春日が可愛くて思わず笑ってしまった。

「理乃はね、あっくんと一緒ならどこでも楽しいんだよ」

春日は俺が恥ずかしいって思うような言葉を平気で口にする。

それは俺に本気だから?

それともからかってるのか?

「それは言い過ぎだろ」

「ホントだよ?」

俺の素っ気ない返事に思わずというように制服の袖を掴まれて胸が高鳴った。

「…ありがと…」

ホントは薄々気付いてる。

どこがいいのかはわからないけど春日は俺の事を本気で想ってくれてるんだって。

だけど春日の本気に応える準備っていうか気持ちっていうか…それが俺にないんだ…。