「理乃ねっ、小川くんと付き合ってんだ」

仲良しの由香と忍にそう告げた。

「はぁ?それって何の罰ゲーム!?」

「由香、ひどい!理乃はホントに小川くんが好きなんだよ」

ぷんっと頬を膨らませた理乃を見た忍がまぁまぁと間に入る。

「でもさ、理乃って由香の彼氏の友達と付き合ってたんじゃないの?」

不思議そうに首を傾げる忍に理乃は胸を張った。

「そーんなの、とっくの昔に別れたもんねっ。だって全然キュンッてこないんだよ?」

「何、威張ってんのよ」

由香が理乃をこづいた。

「せっかく紹介してあげたのに1ヶ月も保たなかったんだよ?信じられる!?」

由香の言葉に忍が苦笑いする。

「で、小川にはキュンッとやらになったって事?」

「信じらんない。小川って地味じゃん。それのどこがキュンッなんだか」

忍と由香が同時に口を開く。
一斉に聞かれても理乃は一人なんだから両方に答えられないよ。

「小川くんの良さが二人にはわからないでいいのっ。わかったら取り合いになって友情も破滅しちゃうんだからねっ」

「理乃ってバカ!?」

由香の暴言に忍もコックリ頷いた。