何なの?あいつ!

ただのボーっとした教師だと思ってたら中身はとんでもない奴じゃない!

当初の目的だった教室に寄る事も忘れて、とりあえず当番を任せきりにしている後輩のいる図書室へ急いだ。





「遅くなってごめん」

声を潜めて謝ると、特に気にした様子もなく彼女は笑って首を振った。
本好きの彼女の事だから気兼ねなく本を読めて喜んでいたかもしれない。

美月もカウンター内に座って先程まで読んでいた本を開く。

文字を目で追うが内容は全く頭に入ってこない。

自分でも怒ってるのか戸惑ってるのかわからない妙な感情を抱いたままページを捲る手を止めてため息をついた。