涼平にされるがまま軽く唇を開いた美月の歯列を舌でなぞり、上顎を舐めた。

「ん…あ…っ」

だんだん深くなるキスに美月は涼平のカッターシャツの胸元をキュッと握る。

「美月…。俺、ヤバいかも…」

唇を離し、そう呟く涼平に美月はトロンとした目で何が?と聞こうとしたら視界が反転した。

えっ?

バサバサと先程まで机に乗っていた研究発表の資料が床の上に落ちる。

机の上に押し倒された美月は腰から下は宙ぶらりんと、何とも不安定な体勢でいた。

「涼平?」

小さく名前を呼ぶ美月の唇を涼平は塞いだ。

繰り返されるキスに美月の呼吸が乱れてくる。

額にかかった前髪を掻き上げられ、そこにも唇を落とされる。

耳朶をキュッと摘まれ思わず声を上げてしまった。

「あぅ…んっ」

「美月は耳が弱いんだな」

嬉しそうな涼平に否定の言葉を口にしようとしたが涼平に耳朶を口に含まれ吐息に変わってしまった。

「りょ…へ…だめ…」

「だめじゃないだろ」

涼平が耳の中に舌を入れ、ぴちゃぴちゃと舐め回す音と、かかる熱い吐息に美月の頭は何も考えられなくなった。