ハリセンを使い、ツッコミながら応戦していたレッドはピンクが膝を抱えて何かを呟き始めている事に気付いた。
「ふっ…全く良いわよね…若い子は…陰で私の事、口煩いお局様って言ってるの知ってるのよ…(更に続く)」
一斉に耳鳴りのような電波のような音がし始め、全員が頭を抱えたり、耳を塞いで悶えている。
「ぐわぁっ!頭が割れる!」
「くっ!ピンク!それは俺達にもダメージがっ!」
「くぅっ!皆!引き揚げるよ!」
「リーダー!データは!?」
「ダメだ!最後のロックが解除出来ない!とりあえずボスに報告しよう。」
「了解しました!」

敵が立ち去った音にピンクは我に返ったようで、サイコキネシスが収まった。
「博士にピンクのサイコキネシスを遮断する装置を着けて貰わなくては…」
グリーンが苦しそうな息で言う。
「しかしアイツら、何のデータを盗もうとしてたんだ?」
レッドが言うと、ピンクは素早く先程まで敵のリーダーが調べていたパソコンを凄い勢いで叩き出す。
「経理のデータですから…どうやら会社の運営資金の流れを調べようとしていたんじゃないかと…でも…これは…?」
「何だったんだ!?」
勢い込んでレッドが聞くと、キーボードを叩いていた手を止めて
「経理の通常のパスワードでは入れないようです。」
画面から目を離さずに答える。
「…裏帳簿とかか…?」
レッドの言葉にキッ!っと睨み付けると
「私も管理しているデータです。有り得ません!裏帳簿というよりは…恐らく重役クラスの機密事項扱いになっているのだと思います。」
今度は考え込んでいる。
「ピンクでも解除は出来ないのか?」
「時間を頂ければ出来なくはありませんが…」
言葉を濁すピンクに
「レッド、我々が勝手に機密事項を探るのはどうかと思うぞ。」
ブラックが冷静にフォローを入れると、グリーンが慌てて
「それはそうですね!」
何とか話を終わらせようとしていた。