「諸君、初出動ご苦労だった。」
するとスクリーンの横から急にキャバ嬢が現れた。
「社長~何やってるのぉ?」
「これカメラ?映ってるの?やだぁ~」
厳粛な場面も一転、華やかになる。
「ミカちゃん、ナナちゃん!」
「この声は…貴ちゃんだぁ!なにやってるのぉ?」
はしゃぐミカと
「ねぇ…社長~」
ナナはボスに耳打ちされて
「ミカちゃ~ん!今日はボスなんだってぇ♪ねぇボ・ス」
ボスの両脇についた二人は楽しげである。
「面白~い♪ボスぅ今日は~アフターでお食事に連れてってぇ」
しなだれかかるミカに大人の貫禄で甘い微笑みを浮かべる。
「あぁ、良いよ。何が食べたい?」
「あ~っ!ズル~イ!ナナも~」
「勿論だよ。美味しい肉でも食べに行こうか。」
「やったぁ~」
二人はおおはしゃぎである。
それまで黙って見ていた桜井が痺れを切らした様に、わざとらしい咳払いをした。
「ボス!本日のご報告を迅速に行いたいのですが?」
「あぁ…スマン。二人とも、少し下がっていてくれるかな?」
「はぁ~い」
また1人になったボスは足を組み換えると改めて厳しい顔を作った。
「さて、今回の敵だが、また潜入してくる可能性が高い。何しろ目的を阻止されているからね。」
皆、一様に頷く。するとレッドが思い出した様に言った。
「ところでボス。ブルーが敵のリーダーに見覚えがあるらしいのですが…」
「そりゃあるだろうねぇ…」
「えっ?」
ため息混じりに呟いたボスの言葉を聞き返そうとするが
「いやいや。何でもないよ。」
と軽くかわされた。
「ボス。次の指令ですが、営業部の清水さんと受付の岩井さんが不倫関係にあるとの情報が入りましたので、そちらの対処で宜しいでしょうか?」
話を変えた桜井にブルーが愕然としている。
「あの…あの歴代受付嬢の中でも1・2を争う美人が!くっそ~!上手くやりやがったな~…」