この時気にせず帰ってきたら深い傷を追うことはなかったのに、どうしてあなたはあの場にいたの? あの子とだけは一緒にいないで欲しかった。 ―――叶わない願いってわかってるのに。 仮病を使っていたあたしは早く帰ることに必死で階段なんて一段とばしでひょいひょいのぼった。 「最悪ッ!早く帰りたいのに」 そうだよ。 早くあいつから逃げたいんだ。 そんなこと思ったからかな、階段上の廊下に雄輔と友美が2人きり。