気が付けば、入り口に着いていた。
我に返った瞬間、清春は驚愕した。
いや、清春だけではない。
丸子も驚いていた。
「ヒュー……ヒュー」
息を吐く音が変わっていた。
慌てた清春は、すぐに美佳のもとに近寄った。
「だ、大丈夫かっ!?」
うっすらと目を開けるが、焦点が合わない。
美佳は何も言わず、ただ擦れた息を吐いていた。
額に嫌な汗が流れる。
あのとき、俺が飲まなければ。
悔やんでも悔やみ切れず、意味もなく清春は壁を殴った。
「オレらを……オレらを、ここから出せぇっ!!」