「羨ましい才能だわ。」 と言ってフッと鼻で笑った弘樹は 俺も下に行っとく。 と付け足して部屋を出て行った。 1人になった部屋で、夏休み中に親父との約束を果たせたらいいなと思っていた。 由莉ちゃんには俺の親父に会ってもらわないと。 俺が由莉ちゃんを捜していた時に出した親父の条件。 『その子を見つけたら俺のところに1度連れてこい。それが条件だ。』 なぜ連れて来いと言ったのか分からない。 けど由莉ちゃんと親父は何らかの関係がある事は確かだ。