幹部部屋には異様な雰囲気が漂っていたー…。
相変わらず紅雨と弘樹は睨み合っていて、俺はその2人を見ないように下を向いて言った。
「分かってる…。噂が広まったばかりの今、どこの族も躍起になって由莉ちゃんを捜しているのは…。」
分かってるんだ…。
だけど、一番じゃなくても由莉ちゃんと夜琉は俺にとってかけがえのない存在で、
だからこそ堂々としていて欲しい。
「あの2人はデートができるから、許される恋だから。」
俺の代わりにー…
いっぱい思い出を作って欲しいんだ…
「だから、堂々としていればいいー…。」

