=キング of ビースト= 2




「…璃玖も分かってるだろう?今が由莉にとってどれだけ危険な時期か。」


「分かってる。」


「ならっ!なんで行かせた!!」


バンッという音が部屋に届く。

弘樹がテーブルを叩いたのだ。

今にも俺に殴りかかろうとする弘樹。


弘樹は心配なのだろう。由莉ちゃんの事が。だから由莉ちゃんをデートに行かせた俺に殴りかかろうとするのだ。


「璃玖に手だすんだったら俺が相手するけど?」


と言って俺の前に立つ紅雨。

その紅雨の言動に目の奥がツーンとなる。

俺より小さいクセにいつも俺を守ろうとする。


だけどそんな紅雨に俺を守ろうとする紅雨に、


俺は安心するー…。