=キング of ビースト= 2




「…ー弘樹....



もしかしてお前…。」


弘樹の苦しそうな顔を見ると最後まで言えなかった。


…由莉ちゃんの事好きなのか?

きっとこの答えは今の弘樹には分からないだろう。


女という生き物を否定してきた弘樹だから、好きという感情を受け入れられない。


自分自身の中で戸惑いと戦っているのだろう。俺のように…



弘樹の辛そうな顔を見ていられなくて、飲み物に目線を向け


「…ー俺が言った。」


と言った。


「は?何が?」


「デート行けば?、って俺が言った。」